2015年2月7日土曜日

訪日観光客は欧米客に絞るべし!!


 訪日客が年間1200万人を超える勢いで伸びている中、消滅の可能性を何とかくい止めようと、全国では「ひと・まち・しごと創生」で知恵を絞っている最中だ。
 そんな中、観光振興による「外貨」獲得も重要な要素なのだが、島根県においての訪日客は、欧米人を想定すべきだと思う。

 観光庁の資料では、訪日外国人の国内消費額において、中国人は確かに高額だが、消費税免税制度の利用率をみると、中国は38.3%、米国が3.7%、フランスが8.4%と、消費内容は全く異なる。つまり短期間に都市部で日本製品を爆買して帰るアジア人と、長期滞在で文化体験を楽しむ欧米人という姿が見える。

 精神社会の到来と言われて久しいが、地方都市の訪日客誘致には、特に欧米人向けに重要なコンセプトとなる。広島県と連携して、「ひろしまね(広島と島根)物語」を訴求し、いにしえに癒されて、世界平和を味わうツアー。富裕の欧米の知識層には受けるのではないか。

2014年9月6日土曜日

観光には物語を

事業の仕組みを形作る手法としてマーケティングという業務があるが、世間ではステルスとかインバウンドのような横文字で表現した怪しい手法が数多く存在している。しかし、ほぼすべてに共通している要素がある。それは、「物語性」の重要性だと解釈している。

 これは、商品・サービスそのものに「物語性」を付加し、共感を得やすい仕組みづくりをすることであり、ブランディグの二つの要素と言われる「情緒性と機能性」の内の「情緒性」にあたる。

 なぜこの話題を取り上げたかと言えば、その「物語性」を是非とも観光誘致活動に活かしていただきたいから。最近では「おしい、広島」等イメージ戦略が増えてきたとは言え、それを聞いて「だから?」と感じた人も多いのではないか。「そうだ京都、行こう」のような、自身の中で気づきが生まれるイメージ戦略とは言えない。人の心の中に山陰が湧きあがる物語戦略こそが重要だと思っている。

2014年8月7日木曜日

平和の願い 十二代藤林徳扇さん遺族 広島市に寄贈

 京都市を拠点に活躍した伝統工芸作家で、昨年10月に亡くなった十二代藤林徳扇(とくせん)さんがヒロシマをテーマに描いた絵が2日、遺族から広島市に贈られた。戦後に見た被爆地の惨状に心を痛め、平和への願いを込めて10年がかりで制作した。遺族は「世界から訪れる人々に見てほしい」と願っている。  縦140センチ、横38センチ。両手を合わせた女神の姿に「母の愛」を表現した。ルビーなど宝石の粉末を絵の具に混ぜる独自手法で、格調高く仕上げた。  この日、徳扇さんの息子2人が市役所で西藤公司副市長に、実物を披露。十三代を襲名した長男の藤林宏茂さん(53)=京都市上京区=は「『平和の礎は世界共通である母の愛にある』と生前に語っていた」と説明した。  戦後にインド洋の無人島に抑留されていたという徳扇さんは、大竹港から復員して京都に戻る際、被爆地の惨状を見たという。  米国ハワイ州で伝統工芸作家として活動する次男の徳也さん(52)は「広島の犠牲の上に今の日本があるという恩返しの思いが父にあったのだろう」と話した。市はアステールプラザ(中区)に常設展示する方針。
(加納亜弥 2014年6月3日中国新聞)

2014年8月1日金曜日

女性の“印”とは

(本記事は、平成25年5月9日に旧サイトで公開したブログです) 

 存在を識別するための存在として“印”がある。これは企業にとってはローゴやマークであり、個人においては氏名や自筆のサイン、または印鑑等がそれにあたる。つまり世の中に存在する物には全て“識別のための印”が必要であり、逆に“出自”を明確にするという世のニーズがあることだなのだろう。

 しかし日本にはその“出自”を強制的に消失させてしまう習慣が存在する。それは「結婚」だ。女性とは結婚をすると大抵は「嫁入りした先」の姓に変わり、女性は旦那の“出自”に吸収されることとなる。企業の場合だと吸収合併された企業名が無くなることと同様だが、ただ企業によっては、合併当初だけは双方の名称を併記して船出する場合があったりする。ただ結婚の場合は違う。結婚した日本人で両姓を併記する習慣はないため、ほぼ女性は男性の姓を語るようになる。女性の実家としては「嫁に出した」、男性の家としては「嫁にもらった」訳だから当然と言えば当然。しかし女性が社会生活を実質的にリードしている状況の中、「事実婚」を選択する人も増えてきていることもあり、この日本の習慣も修正すべき時期にきているように思えてならない。

 本日の日経新聞朝刊「ART REVIEW」面で「母から娘へ 女紋」の記事が掲載されている。この「女紋」に関しては以前本ブログでも取り上げさせて頂いていて非常に興味があるのだが、実はこの習慣を全国に広げられないものかと思っている。夫婦として一つの“印”を築いていくのだから従来通りで問題は無いと言われればそれまでだが、結婚という形が女性の「吸収」ではなく「併存」という意味合いとして認識が広がれば、アホ社会化した日本文化の変革に繋がるような気がしてならないからだ。ビジネス的な話題の中で「セルフ・ブランディング」の重要性が語られるが、それは生活全般に言えることであり、結婚という形においてもその意味合いを導入することができれば、離婚率の低下やモラルの向上も見られるかもしれないと思っている。

 「女紋」を全ての女性が持つことで世の中が変わる、とは大げさだとは思うが、ただ一生持ち続けさらに継承していく「女紋」を全ての女性が持つという、新しい文化を作り出していくその『過程』を考えると、意義は大きいとのではないか。また「自分の印」の永久表示は、日本の美徳の継承の支えになることを期待している。

2014年7月27日日曜日

戦後レジームからの脱却を

 以前ある人が、カタールの人は日本の文化に共感しているらしいと教えてくれた。どうもそれは、武士の切腹の儀式にあるそうだ。イスラム圏に頻発する自爆テロと同じにしないで欲しいと願いつつ、最近集団的自衛権話題が多いため一言。

 メディアでは平和憲法の維持を訴え、内閣批判の内容がほとんどだ。確かに精神社会の到来、と謳われて行く年月、そんな社会が来るのなら、日本の精神文化の見せ所ではある。しかし、ハリウッド映画の存在そのものものにさえも悪影響を及ぼし、沖縄では日本からの独立を目指すなどと煽っているらしい巨大な人口保有国が闊歩する現代。国の形を変形させようとする悪しき民族が近隣に存在する限り、精神社会の維持・輸出どころの話ではないのではなかろうか。

 確かに現内閣の暴走は許してはならない。しかし、「抑止力」という後支えは無くてはならない世の中になってしまった。もし現内閣の方針を拒絶するのなら、代案をお願いしたい。あれば、だが。

 日本は「縮み文化」と言われるが、これ以上内々に目配せしすぎた状況からは、脱出しなければならないタイミングではないのだろうか。首相の言葉を鵜呑みにするのは危険が伴う。色々な意味で、、、、。けれど、方策無の平和主張ほど、「平和ボケ」した国民性を主張しているとしか、私には映らない。

 号泣する県議や常識無の国会議員がうろつく世の中で、もう過去の浮かれた世相から脱出していきたいと感じる今日この頃である。

2014年7月17日木曜日

KaBOOM!の素晴らしさを映像で!!

本ブログ記事は、弊社の旧サイトで2010年10月に公開したものです。


 米国のワシントンに拠点を置くKaBOOM!は、全米に1700か所以上の公園やスポーツ施設を現地のボランティアと共に建設しているNPOである。
KaBOOM!   http://kaboom.org/

https://youtu.be/fW7PrcvI-Xc
 このNPOが、今年9月に全米1,254か所で行う[KaBOOM! Play Days]というイベントのアイデアを募集している(サイト画像参照)。因みにスポンサーは、[MOTTS]という果汁系の商品を扱っている企業やNFL等も協賛している。

 このイベントは毎年行われているが、このNPOは、貧民地区で公園がない地域に無償で提供するだけではなく、現代の全ての子供たちが抱える諸問題の解決を目指すのが主目的である。
つまり、コンピュータ・ゲームに時間を費やし、他人との協調性もなく、肥満になる子供たちを、もっと外に出て人とふれあい、子供たちとの間で問題解決を図れる資質を育くもうとしているのである。
そしてKaBOOM!のサイトでは、地域ごとのアイデアも閲覧でき、様々なアイデアが集められている。

 このような社会貢献活動、あるいは企業からすればソーシャル・マーケティングとなるが、日本でも実施されているが、やはりそのスケールが大きくなればなるほど、ムーブメントとして機能していくのが実感できるため、これからのNPOも全国組織での一体的な活動が求められてくるのであろう。

2014年7月8日火曜日

禅が地球を救うのです

 嘗てスティーブ・ジョブズが「ZEN」の精神を唱えていたことが切っ掛けとなったのかどうかは分からないが、安倍首相が法案成立後谷中の全生庵で坐禅を組んでいた報道があったり、雑誌の日経ビジネスでも「禅×ビジネス」という特集が組まれるなど、禅が静かなブームになっているようだ。確かに、昨今増加しているビジネスマンが様々な朝活を行っているという話題が報道される中、朝坐禅を組んでから出社するというサラリーマンも増えているとのことだった。知り合いの禅寺の住職も、定期的に坐禅に訪れる経営者がいるとの話も聞いていたので、坐禅人口は確実に増加しているようだ。

 ではそもそも何故坐禅を組むのか。ちょっと前にベストセラー(?)となった「断捨離」や千利休の「茶の湯」のコンセプトに共通する、「捨る美学」への回帰があるのだろう。先のジョブズの言葉として有名な「Stay hungry, Stay foolish」は、「余分なモノを捨て去って、気持ちに忠実に極みを目指す」ことの意味であり、つまり「素の美意識」に目覚めることを訴えている。「Simple is the best」という言葉と同様に、「世の‘変数’を削ぎ落とし自分を読む」ことが最も大切だということなのだろう。

 檀家制度が形骸化し、さらに寺社を単なる観光地としてしか認知されなくなった現代において、全国の寺社の継続性が危ぶまれている。そのため最近は彼岸寺http://www.higan.net/のように、若手の住職が外に向けた活動を積極的に行っている。それは良い事なのだが、「禅は日本として誇りにした方が良い」という外国人の発言を鑑みれば、仏教の「アウトバウンド」よりも「インバウンド」を重視した考え方の方が発展性を感じる。日本人自身が「禅」を理解した生活習慣を発信するようになれば、多分海外からも体験したいとする旅行者も増加してくるのだろう。そうなれば経済効果だけでなく、全国の寺社や地域に経済効果を齎していくことと考えている。

 ハイテクと精神文化に根付いた伝統文化が混在する日本。どう考えても、世界の良識ある人達が日本を目指して訪問することは間違いがないと思っている。

2013年3月3日日曜日

自然から学ぶ人間社会

嘗てクレイジーキャッツの「ニッポン無責任時代」等の映画に象徴されるように、「本音と建前」をうまく使い分けて色んな状況に適応することが、世渡り上手と言われた時代があった。要は自分の個性を出すというよりは、臨機応変にニーズを捌いていく、所謂“カメレオン的”対応が商売の基本であった気がする。しかしながら、その「ニーズ」が捌くほど転がってはいない現代においては、もはやその処世術は時代遅れとなっているようだ。
 それは何故かと言えば、嘗ては「問題を解決する」という“受け身”で成立していたのだが、今は「問題を発見する」と“攻め”の視点がないとビジネスが生まれない時代になってきたからだ。

 では問題を発見しビジネスを見つけて行くためにはどうしたらよいのだろう。
 
 それは常に疑問を持ちながら経済動向を見つめて、その一歩先を読み解いていくことが必要である。と言ってもこれが難しい。日本人が好きなマニュアル本を読んだって、色んな啓発セミナーや異業種交流会に参加したって、ふと気付くと何も会得できていないことに誰もが気付く。知らないよりも知っている方が良いのではあるが、他者の知見やサクセスストーリーは、環境や経験知、さらにDNAが違う他人にとっては、情報にはなっても自分の志向性を左右するほどの知識として蓄積してはいかないからだと思う。

 結局行き着くところは、ソーシャル・マーケティングでも良く言われるように、要は自分自身のコンテンツを深めることである。これは今日明日にできることではないけれど、自らの頭で考え実行し、その結果を検証し改めて行く、その繰り返ししかない。
 そう考えると、以前本ブログでも書いたモルフォ蝶を引き合いにした「構造色」が思い出される。「構造色」とは、そのもの自体には色は無いけれども、そのものの持つ微細構造(フィルター)が起こす発光現象をいうのだが、人間も同様だと感じる。つまり、自分の内面に様々なフィルターを持つことで、周囲の人が与える光で個性的な輝きを発する。そこでやっと独自のコンテンツが確立してくるのではないか。

「カメレオンからモルフォ蝶」へと、人間はまだまだ自然から学ぶことが増えそうだ。

2011年7月1日金曜日

ライフスタイルに同期した手仕事品マーケティングを

藤林徳扇 作
先日福井県で「和紙、漆器など伝統的工芸品を高機能化」の記事が掲載された。

 非常に良い試みで、その成果を期待するのみである。従来型の既存の素材をベースに、デザイナーとのコラボレーションで新製品発表を行う事例では限界が見えており、素材自体を革新していくことは今後発展的な要素をもたらすものと思える。

 但し多少なりとも不安があるのは、商品化した後のその価格帯と訴求内容である。

 手間暇掛る手仕事モノは、どうしても高価格帯にならざるを得ない。これは当たり前だとしても、今の伝統工芸産業においての大きな壁とも言える。高いからダメ、と言う事ではなくて、そもそも現在の若年層を中心として、伝統工芸品は“美術品”としての認識が高く、日常品として認知は低い。それ故に、わざわざ高額な商品を購入したいという“空気”が存在しない限り、拡販の可能性は限りなく低いと言わざるを得ない。

 伝統工芸品は日本の宝である。しかし残念ながら、“観賞作品”としての認識を突き破るだけのマーケティングを導入しな限り、伝統工芸品の復興はありえない。

 よって、日本の伝統文化を現状の生活空間に活かす意義を含めた価値観を持たせたメッセージが付随したプロモーションを展開しなければ、市場の拡大は望めない。

 現在私も、微力ながら日本の伝統文化を現代の生活空間になじむ商品開発を行っているが、伝統工芸に関わる全ての方々に対して、このテーマに沿った“一般生活の空気感”の変革を促すプレゼンテーションを前提としたマーケティング戦略を実施していただきたと切に願っている。

首相の品格

2024/11/17 AP  人をルックスそのもので判断すること(ルッキズム)は、決して正しい考えだとは思わない。しかしながら、人が直感的に見せる表情や些細な仕草そのものに、その人の本質が現れることは頻繁にある。私も自分の人生 60 年を振り返れば、初対面の人の第一印象としゃべり...