2014年7月8日火曜日

禅が地球を救うのです

 嘗てスティーブ・ジョブズが「ZEN」の精神を唱えていたことが切っ掛けとなったのかどうかは分からないが、安倍首相が法案成立後谷中の全生庵で坐禅を組んでいた報道があったり、雑誌の日経ビジネスでも「禅×ビジネス」という特集が組まれるなど、禅が静かなブームになっているようだ。確かに、昨今増加しているビジネスマンが様々な朝活を行っているという話題が報道される中、朝坐禅を組んでから出社するというサラリーマンも増えているとのことだった。知り合いの禅寺の住職も、定期的に坐禅に訪れる経営者がいるとの話も聞いていたので、坐禅人口は確実に増加しているようだ。

 ではそもそも何故坐禅を組むのか。ちょっと前にベストセラー(?)となった「断捨離」や千利休の「茶の湯」のコンセプトに共通する、「捨る美学」への回帰があるのだろう。先のジョブズの言葉として有名な「Stay hungry, Stay foolish」は、「余分なモノを捨て去って、気持ちに忠実に極みを目指す」ことの意味であり、つまり「素の美意識」に目覚めることを訴えている。「Simple is the best」という言葉と同様に、「世の‘変数’を削ぎ落とし自分を読む」ことが最も大切だということなのだろう。

 檀家制度が形骸化し、さらに寺社を単なる観光地としてしか認知されなくなった現代において、全国の寺社の継続性が危ぶまれている。そのため最近は彼岸寺http://www.higan.net/のように、若手の住職が外に向けた活動を積極的に行っている。それは良い事なのだが、「禅は日本として誇りにした方が良い」という外国人の発言を鑑みれば、仏教の「アウトバウンド」よりも「インバウンド」を重視した考え方の方が発展性を感じる。日本人自身が「禅」を理解した生活習慣を発信するようになれば、多分海外からも体験したいとする旅行者も増加してくるのだろう。そうなれば経済効果だけでなく、全国の寺社や地域に経済効果を齎していくことと考えている。

 ハイテクと精神文化に根付いた伝統文化が混在する日本。どう考えても、世界の良識ある人達が日本を目指して訪問することは間違いがないと思っている。

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