2017年8月25日金曜日

終い方の選択

 先日ちょっと気になる数字を発見した。「91.1%」。これは、65歳以上の人を対象に平成24年に内閣府が実施したアンケート調査の結果で、「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」と回答した割合である。「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」との回答は4.7%であったと報告している。ただ何らかの疾患により所謂「延命治療」を受けているのは約半数となっていることから考えると、本人の死生観ではなく、家族の想いが優先している現実が見えてくる。
 人はオギャーと生まれて以降、「必死」になって「死」というゴールに突き進む。「死」がゴールであるならば、せめて人生の結末は、本人の希望を優先すべきではないか。医師は「生の継続」が生業であるし、家族は現状の継続を期待する。ただ人は永遠に継続することは不可能な訳で、ならば各人の「死」への理想形を尊重することこそ、重要な思いやりではないかと感じるこの頃である。

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