日本全国に存在する伝統的工芸品は、今や国内では美術品として位置づけられ、一般向けの展示会やコンテストが行われているにも関わらず、存続は危ぶまれ続けている。ただ、海外での販売が見られたり、技術の継承者が海外から志願し来日したり、または国内でも、若者が技術を活用した商品開発で起業したりする動きを見ると、徐々にではあるが、微かな起死回生がなくもないかなと思えてくる。ここには、進化する「デジタル文化」の対極にある「アナログ文化」への欲求が顕在化しているのではないか。
現実的に2年位前から、カセットテープや「写ルンです」等のアナログ系商品が静かなブームだ。これは単に回顧主義的現象ではなく、デジタル社会では解決できない人間としての「心の間」への欲望なのではないか。大量生産品の向こうには、機械が見える。しかし手作りの商品には、人の想いが感じられる。これをもっとイメージ豊かに伝達すれば、高値の花だとしても、手にしたい欲望は高まるはずだと思っている。
0 件のコメント:
コメントを投稿