
しかし日本の「パクリ文化」は何が違うのかといえば、最初はパクリでも、日本人にフィットした機能を追加している点にある。縮文化よろしく、団扇を扇子に形状変更するなど、機能性を重視しており、パクリではないが、ソニーのウォークマンなども機能を追求した結果の商品といえる。
では西欧との違いは何なのかというと、日本は引き算で余計なものをそぎ落とした形を追求するのに比べ、西欧は足し算による形状の豪華さを尊重する傾向にある。所謂造形美の追求だ。
今回の佐野氏のパクリ問題には、若干評価すべきこともあるように思う。それは、日本文化に存在する「デザインの多機能性」を持たせた点である。つまり、造形的には模倣といわれても仕方ない部分が確かにあるが、そのデザインを基にした使用の多様性を持たせている点にある。これぞ日本の機能に端を発したデザインであると言えまいか。
今回の事案で、佐野氏への攻撃はしょうがない。しかし、パクリの範疇を考え直す機会となってくれればと思っている。
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