2021年3月10日水曜日

今こそ「和して同ぜず」精神を

 新型コロナウィルス感染が判明してから約半年が経過した。最近は多少だが人の動きが活発化してきているように感するところだが、経済の悪化や自殺者の増加が明らかとなり、また高齢の親に感染させたとして訪問介護士への訴訟が起きたり、先日本紙で掲載された「保育士のマスクで子どもに変化」という記事にある保育現場での子供の変調等、悪影響自体はむしろ広がっている。半年の間にデータ分析がなされ、感染症の傾向は明確になってきているのに、それを踏まえるどころか、同調圧力的な空気はいまだ漂っており、新たな事態の発生を危惧するところである。
 孔子の言葉ではあるが「和して同ぜず」という、日本のお国柄を表わすことわざがある。これは「協調性を持ちながらも主体性は失わない」という意味なのだが、現在の日本人の姿は、「同じて和せず」と逆のイメージではないか。「同調するけど協調はしない」という印象を受けてしまう。心を少しずつ開いていきませんか。



※本記事は、令和2年11月30日に山陰中央新報紙の「こだま欄」に投稿・掲載された文章です。

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