2020年10月24日土曜日

『三蜜』という捉え方とは

 


 現在の新型コロナウィルスの渦中では、「密閉・密集・密接」を表す「三蜜」という言葉が定着している。そんな中偶然に知ったのだが、仏教の真言宗を代表とする密教においてもこの「三蜜」という言葉は既に存在していて、「身蜜(正しい態度)・口蜜(言動の慎み)・意蜜(利他への想い)」を指しており、この3つの実践こそが「即身成仏(生きたまま仏になる)」に繋がる、という教えなのだそうだ。造語として発生した現代の「三蜜」は、社会における人との接触に警告を鳴らし、仏教用語のそれは、人としての在り方への警告だと捉えれば、特にこの時期だからこそ、「人間よ、今一度生き抜くための価値観を改めよ」と天からの声が降っているかのような気持ちにもなってくる。

 疫病が時代の大変革をもたらす、という言い伝えもあるようだが、いずれにしても断捨離だけではなく、自身の物心両面における価値観を棚卸して、再考する期間なのかもしれない

※本原稿は山陰中央新報紙の「こだま欄」に投稿・掲載された文章です。

トランプが運んだ「星条旗」と「清浄機」

   第47代アメリカ大統領としてトランプ氏が帰ってきた。強烈なラリーを各地で実施し、暗殺未遂事件も神のご加護で潜り抜け、蓋を開ければ選挙で大勝利を収めたトランプ氏。必ずや泥沼化しきった世界全体を清浄化してくれることだろう。当然ながら、自浄化作用が機能しない日本に対しても、ツナミ...