2018年3月15日木曜日

「木」も「森」も見よう


 「木を見て森を見ず」、という言葉がある。これは細部にこだわっていては、全体を見失ってしまうことを戒める言葉として使われている。最近特に、マスメディアの報道内容に接するにつけ、日本人はこの言葉を既に忘れてしまったのではないかと思う。
 約4年前、STAP細胞で一躍有名になった小保方春子氏。結局彼女の論文や実証不可能な事例を論われて、バッシングとともに世間から消えて行った。しかし今から2年前、米国の再生医療専門誌において、米国の科学者により小保方氏理論の幹細胞の存在を証明する研究内容が発表されている。ここで言いたいのは、話題になりそうな事象を捉えて繰り返し垂れ流すマスメディアに対して、日本人はもっと大局的な見地も持たなければ、文化の崩壊に繋がることを知らねばならないことだ。
 今日本の社会全般において、モラルの喪失を常に感じている。今こそ、俯瞰した社会の在り方を望む人々が増えていただくことを希望して止まない。

2018年3月4日日曜日

事業家に必要な事




 先日東京商工リサーチが調査した2017年の社長年齢別増減収率の結果が公表された。これが示す明らかな傾向とは、30歳代から70歳代までが社長を務める企業において、年齢が上がるにつれて収益は落ち込み、60歳代以降は、減収率が増収率を上回る結果となっていること。また、島根県の社長の平均年齢は62.59歳で、全国6位となっている。

 ここで言いたいのは、決して年齢が高い企業が悪いということではなく、現代のビジネストレンドは急激に変化してきていて、事業戦略や組織戦略の柔軟な変更に対応しなければ、ボーダレス社会での生き残りは難しいということである。

 京都に本社を置く日本電産という有名企業がある。会長兼社長を務めるのは73歳となった永守氏だ。本年社長交代を決められたが、現役は続行予定らしい。永守氏のモットーは「情熱・熱意・執念」。高齢に差し掛かる企業家は、このモットーに照らして判断するのも一考ではなかろうか。

2018年3月3日土曜日

准ファンドレイザーとして活動開始!!

准ファンドレイザーとして活動を始めます。
今月のチラシをご覧ください。
多くのご意見をお待ちしております。


2018年2月27日火曜日

お伽噺よりも共感を

 「ゆったり清らかなしまね」という言葉はご存知でした?これは島根のスローガンなのですが、多分知らない方が多いと思うし、単純にイメージが伝わりにくい。ただこのような文言は、町の至る所で散見され、何故こんな看板を出しているんだろうと不思議に感じることは多いと思います。何がしかの予算が余ったから作成したとする要因は考えられますが、余りにも無駄な感じがします。


 現社会では、「共感型」が重要だとされています。つまり、夢物語の文言よりも、聞いてイメージできて、共感を得られるメッセージが無ければ、人は動かないということです。観光事業において最近、「体験型観光」がマスコミ的に話題になってきましたが、これはまさに「モノより共感」を重視する傾向を意味します。これは観光事業だけではなく、人にメッセージを届けたい企業や行政においても共通しています。


 お伽噺のようなメッセージではなく、実感を得られるメッセージの発信こそが、人を動かす原動力であることを認識したいものです。

2018年2月22日木曜日

アナログしよう!

 日本全国に存在する伝統的工芸品は、今や国内では美術品として位置づけられ、一般向けの展示会やコンテストが行われているにも関わらず、存続は危ぶまれ続けている。ただ、海外での販売が見られたり、技術の継承者が海外から志願し来日したり、または国内でも、若者が技術を活用した商品開発で起業したりする動きを見ると、徐々にではあるが、微かな起死回生がなくもないかなと思えてくる。ここには、進化する「デジタル文化」の対極にある「アナログ文化」への欲求が顕在化しているのではないか。

 現実的に2年位前から、カセットテープや「写ルンです」等のアナログ系商品が静かなブームだ。これは単に回顧主義的現象ではなく、デジタル社会では解決できない人間としての「心の間」への欲望なのではないか。大量生産品の向こうには、機械が見える。しかし手作りの商品には、人の想いが感じられる。これをもっとイメージ豊かに伝達すれば、高値の花だとしても、手にしたい欲望は高まるはずだと思っている。

2017年8月25日金曜日

終い方の選択

 先日ちょっと気になる数字を発見した。「91.1%」。これは、65歳以上の人を対象に平成24年に内閣府が実施したアンケート調査の結果で、「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」と回答した割合である。「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」との回答は4.7%であったと報告している。ただ何らかの疾患により所謂「延命治療」を受けているのは約半数となっていることから考えると、本人の死生観ではなく、家族の想いが優先している現実が見えてくる。
 人はオギャーと生まれて以降、「必死」になって「死」というゴールに突き進む。「死」がゴールであるならば、せめて人生の結末は、本人の希望を優先すべきではないか。医師は「生の継続」が生業であるし、家族は現状の継続を期待する。ただ人は永遠に継続することは不可能な訳で、ならば各人の「死」への理想形を尊重することこそ、重要な思いやりではないかと感じるこの頃である。

2017年8月17日木曜日

正に幻想的な祭り

こんな祭りは知らなかった。“火の国熊本”の「千人灯籠踊り」で、先日16日に行われた。

 この祭りは千人の女性が頭に灯篭を乗せて「よへほ節」に合わせて踊るお祭りだそうだが、勢いだけのお祭りが多い中、幻想的で艶やかなお祭りが行われていたようだ。
是非とも来年は伺いたい。ここには現代のモラルという衣を捨てて、原始的な人としての喜びが潜んでいるような気がしてならない。

伺います!!!

2017年4月11日火曜日

日本文化の進化に学ぶ

一般的に、日本文化は「玉ねぎ文化」と揶揄されるが、多くは鎖国制度をとっていた江戸時代に、アジアや欧州から秘密裏に運び込まれた外来の製品をヒントに、日本流に改良する文化が定番化したことから、現在に伝わる伝統工芸品の大半は、日本固有の技術に由来していないことに由来している。
 しかしここで考えねばならないことは、そもそも文化とは突然発生するものではなく、様々な内外の事象の影響がある中で、自国の風土に適合した創意工夫をし、固有の感覚に合った選択をする空気感を共有することで生まれるものだと思う。
 インターネット検索が常識化した現代、様々なアイデアや知識が発信・共有され、「なんちゃって知識人」がはびこる今重要なのは、日本文化が歩んだ歴史、つまり「模倣」をしつつ一歩進んだ世界観を作り出すという姿勢こそが、次の時代を生み出すことに他ならない。

2017年4月10日月曜日

転ばぬ先の杖

「親の介護で、家族・親族間が呆然絶句の醜い争いの現実…無知な素人だけの話し合いで地獄」
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18632.htmlより

自分自身も経験していることだが、親の介護については、先ずは介護保険への知識が最も重要となる。まだまだ平気!と思っていても、親の介護への必要性は突然訪れることが多い。
 実際にここ1年間で、私の友人が突然電話をしてきて、「もう無理だから助けて!」と親について相談を受けている。まあ介護世代になったと言えばそれまでだが、私は仕事のおかげで介護保険制度はほぼ熟知している方だが、一般の人はほぼ知らないケースが多い。大切な親のことなのに、自分の世界とはかけ離れていると、つい気を許していることが多く、家族も高齢者本人も日常生活を継続する意識しかないのが殆どだ。

 前述の記事にもある通り、あっという間に親に介護が必要になった場合、日常生活にも、さらに死に至った際の財産分与等についても、親自身の意思は反映することが不可能で、家族間で醜い争いを余儀なくされることが実に多い。

 介護生活の実態、そして親の意思が伝わらなくなっていく現実を考えれば、最近よく耳にする「終活」の必要性を、勇気をもって今からでも考えた方が良いと思うし、親本人も、「死」の話を忌み嫌うのではなく、自分らしい終末の迎え方として早いうちに取り組む必要があると思う。これは介護の現場の人間として、本当に実感している。

2017年4月8日土曜日

間違ったタイアップ

今話題の金沢で、もともと油や砂糖、小麦粉を使わないヘルシーなカレーで人気のお店で、久谷焼きの器に金箔を施したカレーを盛り、デザートは山中漆器のスプーンや器を使った、金沢満載のカレーセットを2500円(税別)で、1日7食限定で販売を開始されたようだ。
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20170408/CK2017040802000049.html

 多分伝統工芸品の販促の一部として、大衆的な料理に活用することで、親しみを持たせ、少しでも伝統工芸品の拡販を、との思いで始まったのだと思うのだが、この手のタイアップはほとんど成果を生まない。SNSに旅の記念としてシャメに収め、一時話題性を狙った投稿は当然あるのだが、だからと言って、普通に話題のカレーを食べるならば1000円程度で食べれるメニューだけに、これで伝統工芸品の販促に繋がることを期待していいものか。その意味で、結果を生まない試みだと思う。

 そもそも伝統工芸品が何故売れないのかと言えば、美術品としては理解しているものの、シェアエコノミーが広がる現代において、その価格で足踏みしている人が殆どであるから。収入格差が明確な現代におい て、「美しいから購入したい」とする日本人は数少ない。比較的余裕のある人は、日本の伝統工芸品に対して、既に購入し続けているし、ただその数が減少している。

 ではどうすれば少しでも伝統工芸品に目を向けるかと言うと、例え普段使いが出来ないにしても、たまの「ハレの日」にはこれを使いたい!と思えるスライスオブライフを提案することにしか存在しないと思う。

 私自身も伝統工芸品は大好きだし、職人の減少を外国人が支える実態を何とかしなければと考える方だが、安直で補助金を使えば良いといったような施策を繰り返す、地域の名士様の言いなりの施策は時代遅れという認識を地域では共有しなければならないのではないかと思っている。

2017年4月6日木曜日

デザインの力

 

「デザイン」というと、ファッションや車、ポスターや絵画など、色や形、文字などを駆使して表現した「視覚的なモノ」とするのが一般的だが、数年前から企業がデザイン思考の経営戦略に舵を切っていることをご存じだろうか。最も有名なのがアイフォンを開発したアップルのスティーブジョブズ氏。彼は常に、「禅ぽくない」とか「美しくない」とかの発言で周囲を困らせたようだが、この姿勢こそが「デザイン思考」。つまり彼は、商品自体の姿形ではなく、ユーザーが手にした時の驚き喜び、そして使いやすさを実感している様に拘っていたのである。つまり、商品が生み出すユーザーとの繋がり全体をデザインしていたことになる。

 事業戦略や観光振興、さらに町づくりでも同様だが、一方的な宣伝ではなく、5W1Hで表現できる顧客との関係性全体をデザインすることを前提に、実施して欲しいと願っている。

今こそ寛容性を取り戻そう

   今米国では、「メリークリスマス」が禁句になっていることをご存じだろうか。その理由は、キリスト教徒の祝祭を非キリスト教徒に強要することに繋がるから、だそうだ。現在欧米を中心に、宗教的側面だけではなく、人種的あるいは性別的側面等において、社会全体を同質化させようとする運動が静か...